一般社団法人 JISART(日本生殖補助医療標準化機関、本部:大阪府大阪市、理事長:絹谷正之、以下「JISART」)は、国内の体外受精を含む「生殖補助医療(ART)」における品質と安全性の確保、および生殖医療品質の標準化を目的とした第三者認証制度に基づき、2025年度は10施設がJISART施設に認定されたことを本日公表いたしました。
本認定は不妊治療の品質を維持・向上させることを目的として、患者の安全管理、胚培養技術の水準、倫理と情報開示の徹底など、JISARTが定める450項目以上の基準を全て満たしたことを証明するものであり、認定施設は、国内におけるARTの「標準」を担う信頼性の高い医療機関であることを示しています。
深刻な少子化や公的医療保険適用拡大で体外受精へのアクセスが向上し、その社会的役割も急拡大する中、JISARTは患者の皆さまが安心して質の高い生殖補助医療を選択できる環境整備を、これからも推進してまいります。
一般社団法人 JISART(日本生殖補助医療標準化機関)は、日本の生殖補助医療(ART:Assisted Reproductive Technology)における品質と安全性の確保、そして医療品質の標準化を推進する目的で2003年に設立されました。
歯止めのかからない深刻な少子化や2022年4月に開始された不妊治療の公的医療保険適用拡大によりART施設は急増しており、現在では出生児の8人に1人は体外受精児であるなど、ARTへのアクセスは向上し、社会的役割も急拡大しています。一方で、提供される生殖医療の質は施設によって大きく異なり、治療実績や運営体制に関する情報公開のあり方、医療提供者の技術格差是正など、患者が安心して治療を受けられる生殖医療環境の整備は喫緊の課題となっています。特に、ARTは患者の身体的・精神的な負担が大きい治療であり、結果の如何にかかわらず、治療の過程で「安心」と「信頼」が得られることが極めて重要です。
JISARTの認定制度は、単なる医療技術の評価に留まらず、患者の安全とプライバシー保護、胚培養士など専門職の技術水準、施設の倫理観、インフォームド・コンセントの徹底といった、多岐にわたる項目を第三者の視点で厳しく審査し、日本のARTの標準を示すことを目的としています。
JISARTの認定マークは、患者にとって、その施設が「第三者によって品質と安全性が担保された、信頼できる医療機関である」ことの明確な指標となります。 この認定は、主に以下の3つの要素を保証します。
JISARTの認定審査は、書類審査だけではなく、審査員が実際に施設を訪問し、現場の運用状況を詳細に確認する「立入検査」を実施します。3年に一度の立入検査で厳格にチェックし、認定後も継続的な品質改善を義務付けることで、認定後の3年間もその品質が管理される仕組みとなっています。
この度の認定施設公表にあたり、厳格な審査をクリアされた各施設の献身的な努力に心より敬意を表します。
JISARTが活動を開始して以来、日本の生殖補助医療の環境は大きく変化しました。特に保険適用拡大により、ARTはより身近なものとなり、同時に、『どの施設で治療を受けるか』という患者様の選択はより重要になっています。
JISARTの認定は、技術の優劣を競うものではなく、『当たり前のことを、当たり前に、確実に、倫理的に行う』ための標準を定めています。この標準をクリアした施設は、患者様の安全と、生命の出発点となる胚の品質を、最優先で考えていることの証です。
私たちは、今後も認定制度を通じて、日本のARTの安全と品質を担保し続け、より多くの方々が安心して治療を受けられる社会の実現に貢献してまいります。
<一般社団法人JISART 理事長 絹谷 正之>
掲載:PR TIMES(2025年12月24日13時10分)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000138329.html