認定基準と規則

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JISART実施規定とは

「JISART実施規定」とは、JISARTに加盟する生殖医療のクリニックが、不妊治療を行う上で遵守すべき事項をまとめたものです。
2022年3月以前はほとんどの領域が公的医療保険の適用外(いわゆる自由診療)であった生殖医療の分野において、世界でも極めて高い水準の不妊治療の品質を維持・向上させるために定められました。
JISARTの加盟クリニックは、この規定をもとに厳しい審査を定期的に受けています。
JISART(Japanese Institution for Standardizing Assisted Reproductive Technology, 日本生殖補助医療標準化機関)における生殖補助医療を行う施設のための実施規定。全文はPDFファイルからダウンロードされるようお願いいたします。

JISART実施規定 序文

JISARTは2003年3月1日に創設され、その使命は次の通りである。わが国の生殖補助医療専門施設の団体で、品質管理システムを導入することで生殖補助医療の質的向上を目的とし、究極の目標は患者満足を高めることである。
JISARTの目的達成のために生殖補助医療を行う施設のための実施規定を作成し、JISART会員はそれを順守することを義務づけられる。

JISART認定審査とは

「JISART実施規定」及び厳格な審査基準に基づき、JISARTの会員施設に定期的に義務付けられている審査です。審査プロセスには患者団体によるヒアリングも含まれており、認定されれば、その施設の不妊治療の品質が、JISARTの定める医療標準に達していることを意味します。
この認定審査は、国内初の試みとして2005年に開始し、公平を期するために、最初の3年間は海外より有識者を招いて実施しました。2008年からは、JISART会員内で生殖技術認定委員会(Reproductive Technology Accreditation Committee, RTAC)を組織し、毎年システムの改善を図りながら、互いの品質向上に努めています。

1.審査前準備

審査予定日の3ヶ月前にはRTAC委員長より審査員メンバーが施設に通知されます。
メンバーは医師部門、看護部門、ラボ部門、医療事務部門、心理カウンセリング部門の5名と、患者支援組織(Fineについては後述)の患者代表1名で構成されています。
審査を受ける施設と利害関係のない施設から選考されますが、施設は正当の理由があれば、審査員の変更を求めることができます。
施設は審査の2ヶ月前までにJISART認定審査様式の質問票に回答し、予め実施した患者アンケートの集計結果も含め、提出します。
質問内容は、各部門の管理体制、職員の資格、背景、経験、及び前年度における臨床成績、教育、訓練実績についてなど多岐にわたります。また、患者への情報提供の書類や同意書等の使用書式などについて報告するよう求められています。

2.書類審査~部門別審査

各部門の審査員は提出された審査資料に不備不足、疑問点がないかを確認を行ったうえで、施設を訪問し審査を行います。
部門別審査の基本内容は施設が患者本位に設計されているか、すなわちプライバシーが保護されているか、安全か、組織、その責任者の明示、事故予防のための管理、緊急時や事故発生時の対応法についての書面マニュアルが存在するか、スタッフの教育、訓練の実施と記録があるかなどです。

医師部門では院長に決して高価な施設、医療器械を求めているのでなく、患者の不都合にならないようにしているか、人材の有効利用がなされているかを審査します。
医師履歴、診療体制、医師の前年度における教育、訓練(学会出席、発表)の実績、診療内容、治療成績についての定期的スタッフミーティングの開催頻度などについての確認があります。
診療体制では医師が1人の場合はバックアップ体制の有無、緊急時の体制、対応法(火事、地震など)、入院施設がない施設における紹介先病院との連携状況の確認があります。
紹介先病院の医師が治療法を熟知しているかについての確認もされます。
施設内の組織図を作成し職員の苦情処理の責任者が明確になっているかの確認もあります。
ISOの考えでは一人が全ての問題について責任をとるというシステムは是としていないのです。
施設見学では、待合室、受付、カルテ管理体制について審査され、診察室や看護師との面談室はプライバシーが保たれているかを中心に審査されます。
採卵室は救急体制、培養室との位置関係、採精室やカウンセリング室が適した場所にあるかが審査されます。
胚培養士部門では培養室における組織図をもとに、事故やトラブルが生じた時の連絡方法、責任者についての明示、安全管理(感染物質の取り扱いなど)、教育、訓練の実施状況(記録)について審査を行います。
検体を扱うときのダブルチェックの実施法、休日も同様にダブルチェックが可能か、incubator内の温度、ガス濃度のチェック法、遠隔アラームシステムの設備、凍結配偶子、胚の安全な管理保管法や停電時のバックアップ体制についても詳しくチェックされます。
ベテランの科学者、技師でも年数回は他のスタッフから技術チェックを受けていなければならないことになっています。培養室は、スタッフが快適に仕事ができ、かつ安全であるかを審査するのであって、決して高価な設備は要求されません。
看護師部門では看護師の仕事内容の手順書が存在するか、投薬などの記載がカルテに正確になされているか、患者プライバシーを守っているか、同意書の確認はなされているか、看護師の教育、訓練の実施記録、安全管理、救急器具、薬の管理についての確認があります。
看護師のCPR訓練は最低、年に一度実施することは必要とされます。
特にわが国の診療状況で、外来診察時などの患者のプライバシー保護が十分なされているかが審査されます。
医療事務部門では、法令規則、個人情報保護法の遵守、安全管理、各種記録について正確になされている必要があります。
医療事務責任者の経験、医療事務スタッフの資格・教育・定期的な研修が必要とされ、他部門、他施設との情報交換を行う機会があるかについても確認されます。
心理カウンセリング部門では、カウンセリングスタッフが常勤している必要はありませんが、カウンセリングが必要とされる場合は常に対応できるようにしておくことが必要であり、対応するカウンセラーについては、資格・経験・教育方法・定期的な研修が確認されます。
院内にカウンセリングルームの設置があることが必要とされ、その独立性、患者が治療中・治療後も利用しやすい状況であるかが重要視されます。

3.患者ヒアリング

患者代表部門では患者目線で施設を審査します。
施設の動線や待合室、内診室、採精室のプライバシーへの配慮、施設スタッフの態度、時間外の緊急時の対応、会計明細書式などについて審査します。パンフレットや説明書、同意書の内容は、患者にわかりやすいものであることが重要で、かなり細かく確認します。
患者代表部門の審査日には、予め施設で募集した2組以上の通院患者を対象に、「患者ヒアリング」も実施され、上記審査項目のほか、当該施設に対する忌憚ない意見も聞きます。

4.審査結果通達

最後に審査員は最終的に施設がJISARTガイドラインを順守し、診察内容が求められているレベルに達しているかを判断します。
全部門の審査が完了次第、審査チーム内で各部門の審査結果について最終検討を行います。審査チームリーダーは各審査員に重大な問題点が存在するかを確認し、無ければ改善すべき点についての意見を聞きます。患者の意見も取り入れられますし、施設をより良くするための提案なども出されます。
その後のクロージング会議では、審査員全員と施設の全部門担当者が集まり、審査結果の報告がなされます。審査チームリーダーが審査についての感想、主たる改善事項や提案事項について説明し、それに対し、施設側からの質問、意見も出されます。
審査詳細については3ヶ月以内にJISART(RTAC)に報告書が提出され、最終認定が決定されます。この認定審査に合格すると3年間の認定期間が与えられます。

JISART施設認定審査における認定施設

2023(認定期間3年間/2023~2026年)
施設名 施設長名
IVF大阪クリニック 福田 愛作
浅田レディース勝川クリニック 浅田 義正
クリニックママ 古井 憲司
梅ヶ丘産婦人科 辰巳 賢一
醍醐渡辺クリニック 渡邉 浩彦
絹谷産婦人科 絹谷 正之
蔵本ウイメンズクリニック 蔵本 武志
高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一
セントマザー産婦人科医院 田中 温
2022(認定期間3年間/2022~2025年)
施設名 施設長名
HORACグランフロント大阪クリニック 森本 義晴
ファティリティクリニック東京 小田原 靖
京野アートクリニック仙台 五十嵐 秀樹
いしかわクリニック 石川 元春
神谷レディースクリニック 神谷 博文
岡山二人クリニック 羽原 俊宏
英ウィメンズクリニック 塩谷 雅英
竹内レディースクリニック 竹内 一浩
ART女性クリニック 小山 伸夫
広島HARTクリニック 向田 哲規
2021(認定期間3年間/2021~2024年)
施設名 施設長名
アイブイエフ詠田クリニック 詠田 由美
仙台ARTクリニック 吉田 仁秋
京野アートクリニック高輪 京野 廣一
ミオ・ファティリティ・クリニック 見尾 保幸
セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史
セキールレディースクリニック 関 守利
IVFなんばクリニック 中岡 義晴
木場公園クリニック 吉田 淳
松本レディースIVFクリニック 松本 和紀
つばきウイメンズクリニック 鍋田 基生
2019(認定期間3年間/2019~2022年)
施設名 施設長名
クリニックママ 古井 憲司
蔵本ウイメンズクリニック 蔵本 武志
IVF大阪クリニック 福田 愛作
ART岡本ウーマンズクリニック 岡本 純英
醍醐渡辺クリニック 渡辺 浩彦
浅田レディース勝川クリニック 羽柴 良樹
絹谷産婦人科 絹谷 正之
高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一
セントマザー産婦人科医院 田中 温
2018(認定期間3年間/2018~2021年)
施設名 施設長名
京野アートクリニック高輪 京野 廣一
HORACグランフロント大阪クリニック 森本 義晴
広島HARTクリニック 向田 哲規
ART女性クリニック 小山 伸夫
梅ヶ丘産婦人科 辰巳 賢一
神谷レディースクリニック 神谷 博文
ファティリティクリニック東京 小田原 靖
英ウィメンズクリニック 塩谷 雅英
セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史
岡山二人クリニック 林 伸旨
いしかわクリニック 石川 元春
2017(認定期間3年間/2017~2020年)
施設名 施設長名
京野アートクリニック高輪 京野 廣一
浅田レディース名古屋駅前クリニック 浅田 義正
仙台ARTクリニック 吉田 仁秋
アイブイエフ詠田クリニック 詠田 由美
木場公園クリニック 吉田 淳
ミオ・ファティリティ・クリニック 見尾 保幸
IVFなんばクリニック 中岡 義晴
竹内レディースクリニック高度生殖医療センター 竹内 一浩
2016(認定期間3年間/2016~2019年)
施設名 施設長名
浅田レディース勝川クリニック 羽柴 良樹
ART岡本ウーマンズクリニック 岡本 純英
クリニックママ 古井 憲司
醍醐渡辺クリニック 渡辺 浩彦
高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一
絹谷産婦人科 絹谷 正之
IVF大阪クリニック 福田 愛作
セントマザー産婦人科医院 田中 温
2015(認定期間3年間/2015~2018年)
施設名 施設長名
京野アートクリニック 京野 廣一
いしかわクリニック 石川 元春
岡山二人クリニック 林 伸旨
はらメディカルクリニック 原 利夫
梅ヶ丘産婦人科 辰巳 賢一
神谷レディースクリニック 神谷 博文
セキールレディースクリニック 関 守利
セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史
2014(認定期間3年間/2014~2017年)
施設名 施設長名
広島HARTクリニック 向田 哲規
京野アートクリニック高輪 竹内 巧
蔵本ウイメンズクリニック 蔵本 武志
IVFなんばクリニック 森本 義晴
木場公園クリニック 吉田 淳
ミオ・ファティリティ・クリニック 見尾 保幸
ファティリティクリニック東京 小田原 靖
アイブイエフ詠田クリニック 詠田 由美
2013(認定期間3年間/2013~2016年)
施設名 施設長名
浅田レディース勝川クリニック 浅田 義正
クリニックママ 古井 憲司
ART岡本ウーマンズクリニック 岡本 純英
東京HARTクリニック 岡 親弘
絹谷産婦人科 絹谷 正之
高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一
醍醐渡辺クリニック 渡辺 浩彦
IVF大阪クリニック 福田 愛作
セントマザー産婦人科医院 田中 温
2012(認定期間3年間/2012~2015年)
施設名 施設長名
京野アートクリニック 京野 廣一
岡山二人クリニック 林 伸旨
いしかわクリニック 石川 元春
梅ヶ丘産婦人科 辰巳 賢一
セキールレディースクリニック 関 守利
セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史
神谷レディースクリニック 神谷 博文
2011(認定期間3年間/2011~2014年)
施設名 施設長名
HORACグランフロント大阪クリニック 森本 義晴
ファティリティクリニック東京 小田原 靖
京野アートクリニック仙台 五十嵐 秀樹
いしかわクリニック 石川 元春
神谷レディースクリニック 神谷 博文
岡山二人クリニック 羽原 俊宏
英ウィメンズクリニック 塩谷 雅英
竹内レディースクリニック 竹内 一浩
ART女性クリニック 小山 伸夫
広島HARTクリニック 向田 哲規