少子化が進行する現在、生殖医療には高度な医療技術だけでなく、人材育成や組織づくり、多職種連携など、質の高い医療を継続的に提供するための体制づくりが求められています。今回のシンポジウムでは、「持続可能な誇れる職場の質と医療の質」をテーマに、組織づくり、人材育成、Social卵子凍結、凍結胚の管理など、多角的な視点から議論が行われました。
第23回JISARTシンポジウムでは、「少子化と激動の時代の生殖医療 ― 持続可能な誇れる職場の質と医療の質 ―」を総合テーマに、生殖医療を取り巻く環境変化を踏まえ、これからの生殖医療に求められる視点について、多角的なテーマを取り上げました。
当日は、「職業の意義と組織の作り方」をテーマとした特別講演をはじめ、「Social卵子凍結」「凍結胚の紛争は“手続”で防ぐ ― 保存・更新・廃棄をめぐる法的課題 ―」など、生殖医療を取り巻く今日的なテーマを設定。医療技術だけでなく、人材育成や組織づくり、倫理・法制度など、多面的な視点から生殖医療を考えるプログラム構成としました。
会場には、JISART会員施設の医師をはじめ、胚培養士、看護師、心理、医療事務など、多職種の医療スタッフが参加。昨年を上回る多くの参加者が集まり、会場は満席となる盛況ぶりでした。
講演では、参加者同士が意見を交わす対話型セッションも設けられ、熱心にメモを取りながら耳を傾ける姿や、積極的に意見を交わす様子が随所に見られました。質疑応答では、各職種からも活発に質問が寄せられ、職種や立場を越えて学び合うJISARTらしい雰囲気の中で議論が進められました。
こうした参加者一人ひとりの学びへの積極的な姿勢は、JISARTが大切にしてきた「学び合う文化」を象徴するものです。施設や職種の垣根を越えて知見を共有し、ともに学び続ける姿勢こそが、生殖医療の質向上を支えるJISARTの大きな強みであることを改めて感じるシンポジウムとなりました。
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特別講演Ⅰ
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「職業の意義と組織の作り方」
座長:高橋 敬一(高橋ウイメンズクリニック 院長) 演者:原田 周平(アチーブメント株式会社南関東支社 支社長) |
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特別講演Ⅱ
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「Social 卵子凍結の現状」
〈フェリング・ファーマ株式会社 共催セミナー〉 座長:松本 玲央奈(松本レディースIVFクリニック 理事長) 演者:片桐 由起子(東邦大学大森病院産婦人科 教授) |
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特別講演Ⅲ
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「凍結胚の紛争は“手続”で防ぐ―保存・更新・廃棄の”条件分岐”を同意書で設計する―」
座長:細田 基信(つばきウイメンズクリニック 院長) 演者:水沼 直樹(東京神楽坂法律事務所 弁護士) |
JISARTでは、シンポジウムと並ぶ教育事業として「部門別教育セミナー」を毎年開催しています。医師、ラボ(胚培養士)、看護、心理、医療事務の5部門が、それぞれの専門性に応じたテーマを設定し、JISART施設が持ち回りで企画・運営を担当しています。講演に加え、グループディスカッションや施設間での情報交換を通じて、日常診療での課題や工夫を共有し、専門職としての知識・技術の向上を図っています。また、企画・運営のノウハウや参加者アンケートを毎年引き継ぐことで、教育内容を継続的にブラッシュアップしていることも特徴です。
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医師 第3回
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**テーマ非公開**
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ラボ 第18回
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【「培養室の災害対策を考える~アンケートから見える現場の実情~」「JISART施設における培養環境の比較」】
・培養室の災害対策を考える~アンケートから見える現場の実情~ ・JISART施設における培養環境の比較 |
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医療事務 第18回
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第1部 講演:「診療報酬の仕組みと保険審査の実際」
講師:西井 修 先生 (帝京大学医学部附属溝口病院副院長・産婦人科教授) 第2部 グループディスカッション |
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看護 第22回
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第1部 講演:「世代をつなぐマネジメント」
講師:福井 トシ子 先生 (国際医療福祉大学大学院 教授・副大学院長) 第2部 テーマ別グループディスカッション |
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心理 第17回
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第1部 講演:『精子提供を希望するカップルに必要な心理支援』
講師:伊藤 ひろみ 先生 プライベートケアクリニック東京 精子バンク部門 マネージャー・不妊カウンセラー 第2部 グループディスカッション |
JISARTの特徴は、施設や職種の垣根を越えて学び合うネットワークにあります。シンポジウムや教育セミナーに加え、施設間スタッフ交換・研修などを通じて、医師だけでなく、胚培養士、看護師、心理職、医療事務など多職種が継続的に知見を共有しています。こうした横のつながりは、それぞれの施設へ新たな学びを持ち帰り、生殖医療全体の質向上や患者満足度の向上につながっています。
JISARTは今後も、シンポジウムによる社会課題の共有と、部門別教育セミナーや施設間交流による実践的な学びを通じて、多職種が学び合い、高め合える環境づくりを推進してまいります。少子化時代においても、患者一人ひとりに安心して医療を受けていただけるよう、生殖補助医療の標準化と質向上に取り組み、日本の生殖医療の発展に貢献してまいります。